賢い身体 バカな身体

 身体感覚を古武術を通して磨きをかけている甲野氏、麻雀という情報戦を身体感覚通して勝ち抜いてきた桜井氏。鋭敏な身体感覚を持つお二人の対談本。

 

 外部から入り込んでくる情報過多によって、身体感覚に注意を向ける機会を得られずに、身体感覚を失っていく現代人。身体感覚の喪失は、内実を伴わない形骸化した関係性を加速させる。外部から入ってくる情報は、それ自体では十分に活用できない。自分なりに考えて咀嚼し、骨肉化させるプロセスが必要である。しかし、その形成プロセスを伴わないでは、情報だけが先んじて、身体(質量)が疎外化されていく。

 

 ”情報”の解像度を上げて、内部から来るものを感情(質量)とし、外部から来るものを形相として、二つを情報という言葉に当てはめてみるのはどうだろう。